米SEC、バイナンス訴訟でソラナ(SOL)含む第三者発行暗号資産に関する申立て修正へ
バイナンス訴訟の訴状修正へ
米証券取引委員会(SEC)が、暗号資産取引所バイナンス(Binance)の米国部門バイナンスUSを含む被告に対する訴状に修正を求めている。7月29日に提出された共同状況報告書にて言及している。
なお被告は、バイナンス・ホールディングス・リミテッド、バイナンスUSの運営会社であるBAMトレーディング・サービス・インク、BAMマネジメントUSホールディングス・インク、バイナンスの創設者兼前CEOのCZ(Changpeng Zhao)氏だ。
SECは被告に対し、被告の却下申し立てに対するSECのオムニバス異議申立書に定義されている「第三者(サードパーティ)暗号資産証券」を含め、訴状を修正する許可を求める意向であることを通知。なお現時点では「第三者暗号資産証券」に関する具体的な修正内容は明らかになっていない。ちなみに第三者暗号資産(サードパーティトークン)とは、バイナンス以外のさまざまな企業が発行し、暗号資産取引所に上場されたデジタル資産だ。
SECは昨年6月、バイナンスUSがBNB(ビルドアンドビルド)、BUSD(バイナンスUSD)以外に、SOL(ソラナ)、ADA(カルダノ/エイダ)、MATIC(ポリゴン)、FIL(ファイルコイン)、ATOM(コスモス)、SAND(サンドボックス)、MANA(ディセントラランド)、ALGO(アルゴランド)、AXS(アクシーインフィニティ)、COTI(コティ)などの証券の取引を提供していたことを提訴していた。
しかし今回SECは共同状況説明書にて、「これらのトークンに関する主張の十分性について裁判所が現時点で判決を下す必要性を回避した」と述べている。
SECの提案に対し被告側は、SECの修正訴状案を確認せずに証拠開示の開始に同意することはできないと主張。
修正に関するスケジュールとしては、SECが修正申立てを行い、被告がこれに対する同意または反対の回答を提出。その後、SECが修正申立てを支持する返信を行い、被告が回答または異議申立てを行う。最終的に、SECが被告の異議に対する返信を行う形で進む予定。全体のスケジュールは、約5カ月~最大で6か月程度かかる見込みだ。
7月11日、エイミー・バーマン・ジャクソン(Amy Berman Jackson)判事は、バイナンスUSに対するBUSD、シンプルアーン(Simple Earn)、セカンダリーBNB販売に関するSECの請求を棄却。同判決は暗号資産のプログラム販売が証券ではないという判例を支持したものだ。
裁判所は、SECとバイナンスが7月9日に会合し、7月29日までに共同提出書類を提出し、今後のスケジュール案を提示するよう指示していた。こういった経緯から、SECは訴状を修正し、多くの証拠を追加することを目指していると思われる。
バイナンスは共同状況説明書にてSECの提案が、「サードパーティトークンに関する主張を上回る修正を行う意向であることを示唆している」と述べている。
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参考: 共同状況説明書
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この記事の著者・インタビューイ
髙橋知里
「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。
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