イーサリアムL2の取引手数料、デンクンアップグレード後に99%低下

イーサリアムのレイヤー2（L2）プロトコルは、3月13日にイーサリアム上で行われたデンクンアップグレードの後、トランザクション手数料が大幅に減少し、一部のプロトコルでは手数料が最大99%低下した。デンクンは、スケーラビリティに焦点を当てたイーサリアムメインネットのアップグレードであり、マージ以来の最も重要なアップグレードとされている。

Median transaction fee of L2s. Source: Dune

イーサリアムベースのL2の中でも注目を集めているスタークネットはアップグレード以降、ガス手数料が99%減少し、以前の6ドル以上から0.04ドルにまで下がったことを示すスクリーンショットを共有した。

Starknet gas fee. Source: Starknet on X

オプティミズム、ベース、ゾラOPメインネットを含む他の複数のL2プラットフォームも、デンクンアップグレード後にガス手数料の劇的な低下を記録した。オプティミズムの平均トランザクション手数料は0.05ドル、ベースでは0.064ドル、アービトラムでは0.5ドル、zkSync Eraでは0.16ドルにまで下がった。アップグレードの24時間以内に、オプティミズムとオプティミズムの技術スタックに基づくチェーン、例えばベースは、最も顕著にガス手数料が削減された。

Optimism L2s transaction cost decline. Source: Optimism on X

最も広く使用されているL2プラットフォームの一つであるアービトラムワンは、本日、アービトラムロールアップチェーンにブロブサポートを導入するArbOSアップグレードを発表する予定だ。

デンクンハードフォークは、EIP-484を含む9つの異なるイーサリアム改善提案（EIP）を導入。これによりL2に新しいトランザクションデータタイプであるブロブを提供し、従来の「コールデータ」プロセスを迂回してイーサリアムメインネット上に情報を公開することで、より速いトランザクションを低い手数料で提供する。デンクンアップグレードの準備には2年が費やされた。

イーサリアム財団のティム・ベイコ氏はデンクンを「マージ以来で最も複雑なフォーク」と指摘。過去に行われた大型アップグレードであるビザンチウムと「EIPの総数で並ぶ」と比較した。

スケーラビリティとガス手数料の低減は、デンクンアップグレードの主な目標だった。アップグレード直後の結果は、L2のトランザクションコストが大幅に削減されたことを示しており、この変更が有効だったことを示している。しかし、専門家たちはこのアプローチが長期的な解決策にはならない可能性があると考えており、イーサリアムネットワークの広範なスケールアップにはさらなる措置が必要だと 指摘 している。