イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が、デンクン(Dencun)ハードフォークの 成功を受け 、レイヤー2(L2)の分散型アプリケーションやソリューションの構築に向けたマインドセットの変化を呼びかけている。

3月14日のETHグローバルのプラグマロンドンイベントに登壇したブテリン氏はネットワークアップグレードの完了を称賛した。デンクンはレイヤー2ネットワークのトランザクション手数料を大幅に削減し、イーサリアムの全体的なスケーラビリティを向上させることが期待されている。

「基本的なロールアップスケーリングに正式に到達したが、ここからは段階的な進展が必要だ」とブテリン氏はクライストチャーチ・スピタルフィールズで集まった聴衆に語った。イベントは500人以上の参加者を集め、週末にわたるハッカソンに先立ち、ブテリン氏の登壇はプログラムの目玉として大きな注目を集めた。

ブテリン氏は、2022年の「マージ」によるプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行後に広く引用されているイーサリアムの ロードマップ について振り返った。同氏は、自身が示したマイルストーンの多くは主にエンジニアリングのタスクであり、その一部はデンクンが確定した際に実現したと語った。

ロンドンのイベントに登壇したブテリン氏. Source: Gareth Jenkinson

イーサリアムは変化の過程にある

イーサリアムは過去10年間で絶えず変化しており、ブテリン氏はそのエコシステムがインターネットや従来の金融システムに大きな影響を与えるためにはアプローチを変える必要があると強調した。

ブテリン氏は、イーサリアムの最初の10年を内向きに注力していた時期と捉え、「技術オタクが技術オタクを満足させ、美しい技術を創造しようとしていた。次の10年は、イーサリアムが外に出て世界に大きな影響を与えることを目指すべきだ」とした。

デンクンハードフォークはこのナラティブにおいて役割を果たし、イーサリアムエコシステムがレイヤー1中心から脱却することを可能にした。ブテリン氏はまた、イーサリアムのベースレイヤーが急速な変化の時代から、よりメンテナンスに焦点を当てた時期へと移行することを期待している。

ブテリン氏は、L1の変更がエコシステムの発展の一部であることを認めながらも、今後はアプリケーション開発者に焦点を当てたL2中心のマインドセットが定着すべきだとしている。

ブテリン氏は、エコシステムがDAppsを構築するための豊富なツールを生み出したとし、その中でもゼロ知識証明が最も重要だと指摘した。

「彼らははるかにスケーラブルなアプリケーションを構築し、ユーザーのプライバシーをより良く保護するアプリケーションを構築することができる。そして、それを行う容易さは5年前と比べて大幅に向上している」とブテリン氏は付け加えた。

さらに、ブテリン氏は、改善されたプライバシー、セキュリティ、パフォーマンスの利点を活用するために、L2ロールアップなどの現代的なツールやプロトコルを使用する「イーサリアム2.0」アプローチの開発を開発者らに呼びかけた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン