ソラナ(SOL)のネイティブトークンSOLが1週間で45%急騰し、3月18日には210ドルの高値を記録した。SOLの価格は2021年11月の史上最高値260ドルには届いていないものの、過去30日間で58%の上昇を見せた。このパフォーマンスは、同期間に12%と30%増加したイーサリアム(ETH)やアバランチ(AVAX)を上回るものだ。

ソラナは時価総額において第5位、総ロック価値(TVL)では第3位の地位を確固たるものとしており、強気の勢いを維持しているようにみえる。しかし、短期的にSOLの価格が165ドル以上を維持するとは限らず、投資家はオンチェーンメトリクスを検討し、強気トレンドが継続するかどうかを見極める必要があるだろう。

ソラナの活動が急増

3月18日以降のSOLの18%の下落が強気トレンドを逆転させたとの見方があるが、3月20日の値動きは165ドルが強いサポートになっていることを示しており、この弱気の見方への反論となっている。ビットコイン(BTC)が7万ドルを維持できない中で、アルトコインシーズンではないかとの見解も浮上し、強気と弱気の両論が一定の根拠を持っている。

市場ウォッチャーらは、ソラナへの需要増加により、手数料が比較的高くなり、取引の失敗が増えたことを 指摘している 。3月16日のデータによると、バリデーターは最大40秒の遅延を経験し、20分間で取引のほぼ半数が失敗した。この活動の増加は、特に「ブック・オブ・ミーム」(BOME)のローンチによって促され、その初日24時間で2億7000万ドルの取引高を集めた。

3月13日のイーサリアムのデンクンハードフォークは、そのレイヤー2スケーラビリティソリューションの手数料を削減し、ミームコインのローンチ競争を激化させた。このアップグレードにより、イーサリアムのレイヤー2であるBaseの活動が 急増し 、DappRadarによると、1週間で分散型アプリケーション(DApps)の取引量が77%増加した。その結果、イーサリアムエコシステムはミームコインのローンチでより競争力があり、ソラナユーザーの注目と支出能力を減少させる可能性がある。

イーサリアムのデンクンの影響

直接的な原因と効果を特定するのは困難だが、イーサリアムネットワークのデンクンアップグレードの翌日である3月14日に、ソラナSPLミームコインが天井に達したように見える。ドッグウィファット(WIF)とボンク(BONK)はそれぞれ38%と40%の下落となった。これらの逆風にもかかわらず、ソラナネットワークは活動の増加から大きな恩恵を受け、DAppsに関係する取引高とアクティブアドレスが増加した。

ソラナ価格は165ドルのサポートが重要に DApp関連のアクティビティは依然として活発 image 0 Top blockchains ranked by 7-day DApp volumes. Source: DappRadar

ソラナネットワークの取引高は3月13日以降55%急増し、同時期に2%と7%の増加にとどまったBNBチェーンやポリゴンなどの競合チェーンを大きく上回っている。しかし、ミームコインや新トークンのローンチからの活動と取引高の増加が、必ずしも価格の持続的な上昇を保証するわけではない。

流動性ステーキングプロジェクトのジト(JTO)は、3月18日に3.85ドルの高値を記録した後、2日間で20%下落した。同様に、分散型取引所ジュピター(JUP)のトークンは、同日の最高値1.60ドルから25.5%下落している。これらのプロジェクトがどれだけの採用を得ているかにかかわらず、SOLの価格の下落はソラナエコシステム全体に影響を及ぼす。

アナリストは、ソラナの大規模なバリデーターコストをカバーするために大量のトークンを発行し、実質的にSOLの供給を膨らませていることが大きな懸念事項であると指摘している。さらに、破産した取引所FTXが保有する大量のトークンが、近い将来の売却されるリスクもある。これらの要因にもかかわらず、ソラナのDApps活動の成長は明らかな弱点を示しておらず、165ドルのサポートレベルが短期的には維持されると考えられる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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