米証券取引委員会(SEC)は、デジタル資産運用会社グレイスケールのイーサリアム先物信託上場投資信託(ETF)の承認について、再び期限を延長した。

3月22日に公表された文書 によれば、SECは3月31日の期限を5月30日に延期し、グレイスケールのイーサリアム先物信託ETFの承認について決定するとした。「委員会は、提案されたルール変更とそこで提起された問題を十分に検討するため、承認または不承認の命令を発行するためのより長い期間を指定することが適切であると判断した」という。

2023年12月、SECはグレイスケールのイーサリアムETFの承認可否の 決定日を延期し 、ETFが上場されるべきかどうかに関して追加のパブリックオピニオンを求めるとした。

ブルームバーグのETFアナリストであるジェームス・セイファート氏は、グレイスケールがその先物ETF申請を「トロイの木馬」として利用し、SECに現物型イーサリアムETFの承認を迫ることになると 主張した 。「SECがグレイスケールの申請を承認した場合、グレイスケールは自社の現物型イーサリアムETF申請の承認を主張する根拠とすることができるだろう」とセイファート氏は説明した。

一方、1月25日にはSECがグレイスケールの現物型イーサリアムETFの承認についての 決定を延期し 、申請に対するパブリックコメントの募集を開始した。1月10日に現物型ビットコインETFが承認された後、仮想通貨業界の間では、SECが仮想通貨ベースのETFに対してより厳しい姿勢を取るのではないかという懸念が高まっている。

キャピタルの創設者ジョン・ロー氏は最近、SECが今後の仮想通貨ベースのETFに対してより厳しい監視を行うと予想している。「仮想通貨ETFに対する監視は増える一方だ。グレイスケールとの訴訟により、SECはビットコインETFを承認せざるを得なかったとある程度主張できる。疑いなく、SEC内部ではそれを大きな敗北とみなしている」とロー氏はのべた。

他の資産運用会社もイーサリアムETFで障害に直面している。3月4日、SECは ブラックロック とフィデリティのイーサリアムETFに対する申請の決定を延期すると 発表した 。