コインベースへの13億ドル相当のUSDコイン(USDC)の移動がビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の「巨大な買いシグナル」になる可能性があると、市場ウォッチャーたちは指摘している。

「USDCが取引所に移動するのは、巨大な買いシグナルだ」と、仮想通貨トレーダーのブロックチェーン・マネ氏はコインテレグラフに語った。 イーサスキャンのデータ によれば、4月25日の08:15(UTC)に5件に分けて、コインベースに総額13億ドルが送金された。

コインベースへの13億ドル分のステーブルコイン送金 「クジラによる買いシグナル」との指摘も image 0 Five large amounts of USDC were transferred to Coinbase at the same time. Source: WhaleBot Alerts

トレーダーたちは、大量のステーブルコインの取引所への入金を、将来の大規模な買い注文の可能性を示す強気の兆しと見なすことが多い。一方で、仮想通貨の大量入金は売り圧力を示唆し、トレーダーは価格下落に警戒する。

「もしこれが本当にクジラ(大口保有者)の買いであり、彼らが買う資産の価格に大きな影響を与える可能性がある。このレベルでは、ほぼ確実にビットコインとイーサリアムだけだ」と、仮想通貨評論家のラーク・デイビス氏はコインテレグラフに語った。

コインベースへの13億ドル分のステーブルコイン送金 「クジラによる買いシグナル」との指摘も image 1 Bitcoin is trading at $64,389 at the time of publication. Source: CoinMarketCap

しかし、仮想通貨アナリストたちは、クジラの動きが市場の確実な指標になるとは限らないと一致している。「クジラの動きには多くの注目が集まるが、彼らが何をしているのかはまったくわからない」とデイビス氏は語った。

「13億ドルは相当な資本だが、それがどこに配分されるかによる」と、仮想通貨トレーダーでありYouTuberのブライアン・ユング氏は付け加えた。

デイビス氏はまた、クジラが即座に資産を購入する代わりに、指値注文を設定することで、投資した仮想通貨のより強固なサポートレベルを作り出す可能性を指摘した。「指値注文が入り、資産の価格サポートとして機能する買いの壁を作ることになる」とデイビス氏は説明した。

しかし、これらの大量移動が市場にどのような影響を与えるかは「決して確定的ではない」と彼は警告した。

一方、ユング氏は、巨額の資金が単一の仮想通貨トークンに投入された場合、市場は「ポジティブにシフトする可能性がある」と主張した。「他の仮想通貨の価格を押し上げる追加の流動性が見られるだろう」と彼はのべた。

ただし、過度のエクスポージャーのリスクのため、投資家がそのような行動を取る利点を見いだすことは疑わしいと彼は指摘する。「もし1億ドルの時価総額を持つ単一のアルトコインにその金額が投入されたら、価格は間違いなく急騰するだろうが、それによって利益を出すことがほぼ不可能になるため、正気の大口投資家がそれを行うとは想像できない」とユング氏は語った。「ビットコインの購入に使われた場合には同様の結果にはないだろう」と彼は付け加えた。

この大規模な資金移動は、仮想通貨市場のセンチメントがわずかに低下しているにもかかわらず発生した。仮想通貨の恐怖・強欲指数は過去24時間で強欲レベルの64.04から中立レベルの59.78に低下している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。