企業として最大規模のビットコインを保有するマイクロストラテジーは、2024年第一四半期に5310万ドルの純損失を計上した。一方で、同社は4月にビットコインを買い増し続けている。

この純損失は、同社が四半期中に1億9,160万ドルのデジタル資産の減損損失を計上したことによるもので、損失は前年同期比で10倍増となっている。また、マイクロストラテジーの 第1四半期業績報告 によると、売上高は2023年第1四半期と比較して5.5%減少し、1億1,520万ドルとなった。

しかし、同社は未だにデジタル資産のフェアバリューを採用していない。この基準を採用していれば、四半期中のビットコインのフェアバリューの上昇65%が考慮されていたはずだろう。

伝統的な会計方法では、マイクロストラテジーのビットコインの帳簿価額は1ビットコインあたり23,680ドルで507万ドルと評価されたが、フェアバリューを採用していれば152億ドルとなっている。

同社は2023年5月に財務会計基準審議会 (FASB) に書簡を送り、新基準を支持していたが、約7ヶ月後に FASB は規則を改正し、2024年12月15日以降の会計年度についてはデジタル資産のフェアバリュー報告を義務付けることになった。

一方、ソフトウェア会社から「ビットコイン開発会社」へと変貌したマイクロストラテジーは、4月にすでに122ビットコインを780万ドルで購入している。

マイクロストラテジーのQ1純損失は5,310万ドルに|ビットコインの買い増し続ける image 0 Source: Michael Saylor

同社は現在、214,400ビットコインを保有しており、その価値は135億ドルで、平均購入価格は35,180ドルだ。

同社は、2回の転換社債発行を通じて15億ドルを調達し、第1四半期にさらに25,250ビットコインを購入した。マイクロストラテジーのフォン・ル社長兼CEOは「14四半期連続でバランスシートにビットコインを追加した」と強気姿勢を示している。

発表後、マイクロストラテジー (MSTR) の株価は時間外取引で3.3%下落した。

ビットコインの上昇は、2024年第1四半期にマイクロストラテジーの株価を前代未聞の急上昇に導いた。株価は、3月末までに170%以上上昇して1,704ドルに達した。

しかし、Google Finance による情報では、その後マイクロストラテジーの株価は1,292ドルまで下落している。

マイクロストラテジーのQ1純損失は5,310万ドルに|ビットコインの買い増し続ける image 1 MicroStrategy’s change in share price over the last six months. Source: Google Finance