ビットコイン(BTC)の最大の保有企業であるマイクロストラテジーは、ビットコインネットワーク上で情報を保存・取得するためのオーディナルズベースのインスクリプションを使用する分散型アイデンティティソリューションを発表した。

このソリューションは「マイクロストラテジー・オレンジ」といい、同社の「ビットコイン・フォー・コーポレーションズ」カンファレンスで、共同創業者兼会長のマイケル・セイラー氏が 5月1日に発表した 。マイクロストラテジー・オレンジはオープンソースであり、サイドチェーンに依存せず、1回のビットコイントランザクションで最大1万個の分散型識別子を処理できるとセイラー氏は主張している。

「公開されたビットコインブロックチェーンのみをデータソースとして使用し、トラストレスで、改ざんが不可能で、永続的な分散型アイデンティティを提供することが目的だ」と、マイクロストラテジーがGitHubに共有したドラフトドキュメントには 記されている 。

分散型識別子(DID)は、実世界のアイデンティティがビットコインアドレスやトランザクションに結びついていないのと同様に、匿名性を可能にする。

マイクロストラテジー・オレンジはオレンジサービス、オレンジSDK、オレンジアプリケーションで構成されている。オレンジサービスでは、ユーザーが自社の人員にDIDを発行し、アプリケーションを展開できる。一方、オレンジSDKとオレンジアプリケーションは、モバイルやデスクトップデバイスで特定のサービスを統合するためのカスタマイズツールを提供する。

マイクロストラテジーがすでに構築したアプリケーションの1つに「オレンジ・フォー・アウトルック」があり、これは電子メールにデジタル署名を統合し、受信者が送信者の真のアイデンティティを確認できるようにするものだ。

オンボーディングプロセスは、マイクロストラテジーのDIDによって署名された招待メールを受け入れることから始まり、これによりユーザー固有のDIDと公開鍵・秘密鍵のペアが生成される。ユーザーのDIDと公開鍵はビットコインネットワークにインスクライブされ、その後、自身のデジタルアイデンティティを作成するための招待を人員に送信することができる。

マイクロストラテジーのオレンジアプリケーションは、メッセージングプラットフォーム、ソーシャルメディアネットワーク、そして電子商取引、エンタープライズ、フィンテック業界のアプリケーションにまで拡張されることを同社は望んでいる。