ビットコインの初期投資家でありビットコインキャッシュの提唱者であるロジャー・バー氏が脱税の容疑で逮捕されたことが、仮想通貨コミュニティ内で様々な反応を呼んでいる。

多くのコミュニティメンバーが逮捕を非難する一方で、キャリア後半における反ビットコインの立場を取ったことを理由に逮捕を 正当化する 少数派もいた。

長年にわたるビットコイン支持者であるダン・ヘルド氏は逮捕を称賛する数少ない人物の1人で、「バー氏はビットコインにとってマイナスだった」と 語った 。

また、バー氏の逮捕がバイナンス、ジェネシス、スリーアローズキャピタル(3AC)など複数の調査で名前が挙がっていることに関連しているのではないかと指摘する 投稿もあった。

長年仮想通貨をウォッチしてきた人々は、2014年に米国の国籍を放棄したにもかかわらず、米司法省がバー氏を脱税で刑事告発したことを非難している。2014年以降、日本国籍を持っているバー氏は、米国での郵便詐欺、脱税などの容疑に基づき、4月30日にスペインで逮捕された。 米司法省の発表 によると、バー氏は2017年のビットコインおよび仮想通貨の売却によって4800万ドル相当を脱税したとされている。現在、バー氏は米国への引き渡しに直面している。

バー氏の逮捕を受けて、仮想通貨コミュニティの多くの人々が米国の法執行機関の権力濫用を非難している。バー氏が2014年に米国籍を放棄したにもかかわらず、2017年の資産売却に関する脱税で摘発されている点がSNSでは疑問が呈されている。

レイヤーツーラボの創設者兼CEOであるポール・シュトルク氏は、バー氏はアメリカを合法的に離れ日本に移住した際、全て法に則って行動したと 指摘する 。シュトルク氏は、バー氏が日本で税金を支払い、米国での税金も支払い、合法的に9年間税金を納めたにもかかわらず、10年後にスペインで逮捕されたと指摘し、司法省の措置を非難した。

政府の取締りを受けた経験のある仮想通貨業界のベテランである キム・ドットコム氏 は、バー氏に対する起訴は脱税とは無関係で、「魔女狩りだ」とのべた。さらに「ロジャーはジュリアン・アサンジや報道の自由を言葉だけでなく行動で支持している」と付け加えた。

ビットコイン支持者の ジェーン・アダムス氏 は、バー氏の逮捕は異論に対する露骨な攻撃だとした。彼女は、米政府のバー氏に対する追求は、報道の自由を支持し、アメリカの帝国主義に反対していたために恨みによって煽られていると付け加えた。

他の人々は、バー氏の逮捕が米政府によるより大規模な仮想通貨への標的化の一環であると推測している。ビットコイン支持者であるデビッド・シェアーズ氏は、米国が仮想通貨を意図的に標的にしていると 主張する 。