ブロックチェーンセキュリティプラットフォームの イムニファイのレポート によると、2024年第2四半期におけるハッキングや詐欺による仮想通貨の損失額は、前年同期と比べて2倍以上に増加した。

第2四半期の損失額は5億7200万ドル(約920億円)に達し、2023年第2四半期の2億2000万ドル(約354億円)を大きく上回った。中央集権型取引所のハッキングが損失額の大部分を占めた。

第2四半期以前は、ハッキングや詐欺による損失は減少傾向にあった。イムニファイは第1四半期に前年同期比で23%の減少になったと 報告していた 。この減少傾向は4月から5月にかけて続いたが、5月末から6月にかけて損失が劇的に増加した。

第2四半期最大の被害は、5月31日に発生した仮想通貨取引所 DMMビットコインでのハッキング によるもので、3億500万ドル(約490億円)相当のビットコインが流出した。さらに、6月22日に発生したBtcTurkのハッキングでは5500万ドル(約88億円)の損失が生じた。この2つのハッキングだけで、第2四半期の総損失額の62%以上を占める。

ハッキングによる仮想通貨被害額 第2四半期は2倍以上に増加 | DMMビットコインが最大の被害 image 0 Two biggest hacks of Q2 2024. Source: Immunefi

中央集権型プロトコルと取引所は、四半期中に約4億100万ドル(約645億円)の損失を被り、全体の70%を占めた。しかし、これらのターゲットに対する成功した攻撃の数は非常に少なかった。中央集権型プロトコルに対する成功した攻撃はわずか5件であったのに対し、分散型プロトコルに対する成功した攻撃や詐欺は62件に上った。

分散型金融プロトコルは、第2四半期に1億7100万ドル(約275億円)の損失を被り、前年同期比で25%減少した。

イーサリアムとBNBスマートチェーンは引き続き詐欺師やハッカーの主要なターゲットとなっており、全体の71%の損失を占めた。しかし、イーサリアムのレイヤー2が攻撃者のターゲットになりはじめている。アービトラムは第3位のターゲットとなり、4件のインシデントで全体の5.5%の損失を被った。ブラストとオプティミズムはそれぞれ3件のインシデントが発生した。

ハッキングによる仮想通貨被害額 第2四半期は2倍以上に増加 | DMMビットコインが最大の被害 image 1 Crypto losses from hacks and scams by network, Q2 2024. Source: Immunefi

イムニファイの創設者ミッチェル・アマドール氏は、今回の四半期の損失は中央集権型取引所のインフラのセキュリティの重要性を痛感させるものであると指摘する。

「この四半期は、インフラへの侵入が仮想通貨における最も壊滅的なハッキングになり得ることを強調している。単一の攻撃が数百万ドルの損害をもたらす可能性があることが明らかになった。今回の四半期では、CeFiインフラをターゲットにしたハッキングが増加し、DeFiを上回った。エコシステム全体を保護するための強固な対策が不可欠だ」

第2四半期に盗まれた一部の資金は後にセキュリティ研究者によって回収された。例えば、ガラゲームズプロトコルを攻撃したハッカーは、ほぼすべての資金を 返還した 。一部の報告によると、攻撃者は仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用せずにウォレットに接続し、IPアドレスが露出して潜在的な訴追のリスクにさらされたとされるが、これは確認されていない。

イムニファイによれば、アレックスラボ、ブルーム、ヨロゲームズも損失の大部分を回収した。報告書によると、これらの回収された資金は四半期の損失額の5%を占めていた。

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