Bitget App
スマートな取引を実現
暗号資産を購入市場取引先物コピートレード自動売買Bitget Earn
米最高裁が「シェブロン法理」無効化、政府の規制権限を制限で暗号資産業界には追い風か

米最高裁が「シェブロン法理」無効化、政府の規制権限を制限で暗号資産業界には追い風か

neweconomy-news (JP)2024/07/02 07:58
著者:髙橋知里

政府の規制権限制限へ

米連邦最高裁判所が、「規制を巡る法律が曖昧な場合に政府機関へ解釈を委ねるという判例」を無効とする判断を6月28日下した。

これは1984年から続いてきた「シェブロン法理」と呼ばれるルールだ。

「シェブロン法理」は、1984年の「シェブロンU.S.A.対天然資源防衛協議会事件」という最高裁判例に由来している。同事件で最高裁は、法律があいまいな場合、裁判所は連邦政府機関の解釈に従うべきだという法的テストを提示した。

今回最高裁判事らは、6対3でこの原則を覆すに至った。なおこの議論はジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官が率いた。

ロバーツ氏は自身の意見の中で「経験上、シェブロンは実行不可能」だとし「シェブロンの枠組みの決定的な特徴は、法定の曖昧さを特定することである。しかし、曖昧さの概念は常に意味のある定義から逃れてきた」と述べている。

一方でエレナ・ケイゲン(Elena Kagen)判事はこの意見に反論。英新聞ガーディアン紙によれば、「今日、裁判所は台本をひっくり返した。連邦議会が解釈の裁量を残した場合、権力を行使するのは『(当局ではなく)裁判所』である。司法の謙遜は、司法の傲慢に取って代わられる」と反対意見を述べたという。

また、暗号資産(仮想通貨)に批判的な姿勢で知られるエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員はXにて、この結果を「裕福でコネのある人々を儲けさせるための、極右による権力掌握だ」とし、「企業の利害関係者は、消費者、労働者、安全、環境を犠牲にして、過激派裁判官にルールを書かせたがっている」と非難している。

なおシェブロン法理は、選挙で選ばれたわけでもない連邦規制当局にあまりにも大きな権限を与え、より明確な法律を制定する責任を議会に問わないとして、しばし保守派の人々から批判されてきた。

暗号資産業界では肯定的な向きも

しかしシェブロン法理の無効化は、規制の透明性が欠如した中で米証券取引委員会(SEC)による強制執行が行われている暗号資産業界にとっては追い風になる可能性もあるようだ。

暗号資産に好意的である人物として知られる共和党のトム・エマー(Tom Emmer)下院議員はXにて、「シェブロン法理を覆す最高裁の決定は、ゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)をはじめとする、選挙で選ばれたわけでもない官僚による規制の乱用にとどめを刺すものだ」と述べている。

米最高裁は6月27日、SECの重要な強制執行プロセスのひとつを剥奪する判決を下した。また、連邦政府機関による内部裁判官の起用は陪審裁判を受ける憲法上の権利に違反するとの判断を6対3の賛成多数で下している。

Let’s call this Supreme Court ruling on Chevron what it is: a power grab by the far-right to benefit the wealthy and well-connected.

Corporate interests want extremist judges to write the rules at the expense of consumers, workers, safety, and the environment. https://t.co/H3hyDPBbT6

— Elizabeth Warren (@SenWarren) June 28, 2024

The Supreme Court’s decision to overturn Chevron deference kneecaps the regulatory abuses of Gary Gensler and every other unchecked, unelected bureaucrat who legislates-by-rulemaking. https://t.co/c2kWWPvT0U

— Tom Emmer (@GOPMajorityWhip) July 1, 2024

関連ニュース

  • エリザベス・ウォーレン含む米上院議員ら、法案推進の最中、暗号資産への批判を再度表明
  • 米下院、FRBによる「中銀デジタル通貨」発行禁じる法案を可決
  • 親クリプト派のマクヘンリー下院議員、臨時下院議長に就任
  • コインベース、情報公開請求でSECとFDICを提訴、コンサルのHistory Associatesも協力で
  • 米SEC、リップル社に1億260万ドルの罰金科すよう裁判所に要求

参考: ガーディアン ・ 最高裁シラバス(シェブロン法理) ・ 最高裁シラバス(SEC)
image:iStocks/gorodenkoff

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

前の記事 米連邦保安局、コインベースに暗号資産カストディ委託 次の記事 経営破綻のシルバーゲート銀行、コンプライアンス違反について規制当局と和解

合わせて読みたい記事

経営破綻のシルバーゲート銀行、コンプライアンス違反について規制当局と和解 破綻した暗号資産(仮想通貨)貸付業者シルバーゲート銀行(Silvergate Bank)は、コンプライアンス違反に関する調査を終わらせるために6300万ドルを支払うことに同意した
大津賀新也 ニュース
米連邦保安局、コインベースに暗号資産カストディ委託 米ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米連邦保安官局(USMS)より デジタル資産の保管および取引を行うための事業者に採択されたことを7月1日発表した
大津賀新也 ニュース
米サークルがEUでUSDCとEURC発行可能に、Mica準拠で 米サークル(Circle Internet Financial)が、「欧州連合暗号資産(仮想通貨)市場規制法案(MiCA)」に準拠した、初のグローバルステーブルコイン発行企業となったことを7月1日発表した
大津賀新也 ニュース
コインベース、情報公開請求でSECとFDICを提訴、コンサルのHistory Associatesも協力で 米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米証券取引委員会(SEC)連邦預金保険公社(FDIC)に対し、情報公開法(Freedom of Information Act)の要請に応じなかったとして6月27日起訴した
髙橋知里 ニュース
プレイシンク、ポイントをトークンに転換するロイヤリティプログラム「NewLo」発表 国内Web3関連企業プレイシンクが、ポイントをトークンへ転換する、新たなロイヤリティプログラム「NewLo(ニューロー)」プロジェクトを7月2日発表した
大津賀新也 ニュース
バイナンスジャパン、ネム(XEM)上場廃止へ 国内暗号資産(仮想通貨)取引所Binance Japan(バイナンスジャパン)が、暗号資産ネム(XEM)の上場廃止予定を7月2日発表した
大津賀新也 ニュース
メタプラネットが10億円分のビットコイン追加購入、合計保有数161.2677BTCに 東証スタンダード上場企業のメタプラネットが、同社として3度目となるビットコインの追加購入完了を7月1日発表した
大津賀新也 ニュース
21Shares、VanEckに続き「ソラナ現物ETF」を米SECに申請 スイス拠点の資産運用会社21シェアーズ(21Shares)が、米証券取引委員会(SEC)に暗号資産ソラナ(SOL)の現物価格に連動した上場投資信託(ETF)のS-1申請書類を6月28日提出した
大津賀新也 ニュース
ワームホールがWorldcoinの「ワールドID」をソラナに統合、クロスチェーンID検証を可能に クロスチェーンプロトコルのワームホール(Wormhole)が、分散型IDプロトコルのワールドコイン(Worldcoin)の認証システム「ワールドID(World ID)」を、ソラナ( Solanaブロックチェーンに統合することを6月27日発表した
一本寿和 ニュース
0

免責事項:本記事の内容はあくまでも筆者の意見を反映したものであり、いかなる立場においても当プラットフォームを代表するものではありません。また、本記事は投資判断の参考となることを目的としたものではありません。

PoolX: 資産をロックして新しいトークンをゲット
最大12%のAPR!エアドロップを継続的に獲得しましょう!
今すぐロック