BTCは1000万円割れから反発 マクロ・テクニカル・ネットワークで環境改善【仮想通貨相場】
著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
22日〜28日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、一時1000万円を割り込み972.8万円まで下落するも、終値では前週比189,715円(1.77%)安の10,527,961円と下げ幅の大半を縮小した。
米政府によるBTC売却の思惑やMt.Goxから大口BTCの送金が確認され、先週のBTCは1070万円台から上値の重い展開で取引を始めると、23日には米国で現物イーサETFの取引開始に伴うイーサ(ETH)の事実売りや、外国為替市場でドル円相場が急落したことにより、25日には1000万円を割り込んだ。
一方、25日米時間に発表された第二・四半期のインフレ指標の低下や、この日から開催されたBitcoin 2024で米ニュージャージー州・ジャージーシティが年金基金でビットコインETFの購入プロセスを進めているとの報道を受け、相場は1000万円を回復、翌26日の東京時間には1030万円台に浮上した。
26日米時間に発表された6月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、5月の+2.6%から+2.5%に低下し、市場では米連邦準備理事会(FRB)による9月の利下げ開始観測が維持され、BTCは1050万円を試す展開で週末に入った。
27日には、米時間に予定されたトランプ氏の発言を控え相場は1078万円まで上昇するも、同氏の到着が遅れスケジュールが押すなか失速。結局、予定より2時間ほど遅れて登壇が始まり、市場の期待通りBTCの戦略的準備金としての採用や、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長の解雇、さらには現在米政府が保有するBTCを売却しないことを約束したが、相場は事実売り気味に1025万円まで反落した。しかし、売り一巡後には相場は大きく揉み合う展開に転じ、週足終値にかけては1050万円を回復、本稿執筆時点では1060万円を回復している。
第1図:BTC対円チャート 出所:bitbank.ccより作成
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