著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・62,000ドル台に下に行って来い

・7月25日の安値を抜け、半値押しでサポート

・弱めのISMでもリスクオフの流れ変わらず、むしろ景気悪化が懸念される

・イランからのイスラエルへの報復攻撃の規模・被害状況に注目

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は下に行って来いの展開。

早朝66,000ドル(約990万円)台から64,000ドル(約960万円)割れに失速、海外時間に入ると62,000ドル(約930万円)台まで値を下げたが、65,000ドル(約975万円)台に値を戻している。

BTCは、土曜日のカンファレンスでのトランプ氏の発言を受けて、週明け70,000ドルにワンタッチしたが、米国政府やMt.GOXの売り懸念もあり66,000ドル近辺に値を落としていた。

一昨日にイスラエルがベイルートを空爆、テヘランでハマス幹部が暗殺されたことを受け、昨日早朝イランの最高指導者ハメネイ師がイスラエルへの報復は義務だとしたことが嫌気され64,000ドル台に値を下げた。

また、水曜日のETFフローがBTCは24百万ドルとプラスに戻ったが、ETHが▲77百万ドルとマイナスに戻ったことも嫌気され、BTCは一時63,000ドル台に値を下げたが、7月25日の安値にサポートされると、英中銀が利下げに踏み切ったことや週次の米失業保険申請件数が増加したことなども好感され65,000ドル手前まで値を戻した。

しかし、幹部を殺害されたヒズボラが戦闘は新たなステージに入ったとコメント、イラン革命軍幹部もイスラエルへの報復を準備しているとし、CNNもイランが72時間以内に報復攻撃をする可能性があると国防総省が警告したと報じる中、オープンから米株が失速。

加えて、ISM製造業指数が予想を下回ると、通常なら利下げ期待からリスクオンとなるところ、前日のFOMCで9月利下げをほぼ織り込んでいたこともあり市場はリスクオフで反応、BTCは63,000ドル半ばのサポートを割り込み62,000ドル台に値を下げた。

しかし7月5日からの反発の半値押しの水準で下げ渋ると、マイクロストラテジーが新株を20億ドル発行してBTCを購入する計画を発表、65,000ドル近辺に反発している。

本日のBTC相場

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