フィリピン証券取引所、ロゴを悪用した仮想通貨詐欺を警告
フィリピン証券取引所(PSE)は9日、同取引所のロゴと名称を不正使用した暗号資産(仮想通貨)投資詐欺について緊急警告を 発表した 。この詐欺スキームは、PSEへの投資を装って潜在的な投資家を巧みに勧誘していたという。
巧妙化する詐欺の手口
PSEの発表によると、詐欺グループは以下のような手順で被害者を騙していた。
- オンライン広告でPSEへの投資を呼びかける
- 興味を示した投資家にメッセージアプリで接触
- 偽のウェブサイトでアカウント作成を誘導
- 投資が順調に進んでいるように見せかけ、投資額の増額を要求
- 誤った注文入力を装い、出金パスワードの喪失を通知
- PSEのカスタマーサービスを装って新規アカウント作成と入金を促す
詐欺グループはテレグラムなどのメッセージングアプリを駆使し、偽のメンバーを配置。これらの「サクラ」が同様の問題に直面しつつも出金に成功したと主張することで、被害者の疑念を巧みに払拭していた。
PSEの対応と投資家への注意喚起
PSEは「当取引所はこのウェブサイトを所有・運営しておらず、仮想通貨の販売や投資の宣伝・促進は一切行っていない」と強く否定。正規の株取引は認可された証券会社を通じてのみ行われると改めて注意を促している。
投資家に対しては、高利回りや保証付きリターンをうたう投資案件には細心の注意を払うよう呼びかけている。また、PSEの公式サイト(www.pse.com.ph)で認可証券会社リストを必ず確認し、SNSなどで目にする投資勧誘情報は複数の信頼できる情報源で慎重に検証するよう助言している。
少しでも不審に感じた場合は、即座に当局や正規の金融機関に相談・報告することが重要だ。
フィリピンにおける仮想通貨詐欺の現状
フィリピンでは 暗号資産(仮想通貨) 市場の急成長に伴い、詐欺被害が急増している。当局も対策に本腰を入れており、今年に入ってからも中央銀行(BSP)がAI技術を悪用した仮想通貨投資詐欺に関する警告を発表し、証券取引委員会(SEC)も潜在的なポンジ・スキームについて注意喚起を行っている。
さらに、フィリピンSECは昨年、米国の規制当局とも連携し、国境を越えた仮想通貨詐欺対策に 乗り出している 。今回のPSEを装った詐欺事件は、仮想通貨詐欺の手口がますます巧妙化・複雑化していることを示している。
投資家は正しい知識を身につけ、常に慎重な判断が求められる。特に、「簡単に高収益が得られる」といった甘い言葉には警戒が必要だ。
まず信頼できる情報源で学習し、少額から始めることが賢明だろう。そして、不審な点があればためらわずに当局や専門家に相談することが、被害を未然に防ぐ最善の対策となる。
免責事項:本記事の内容はあくまでも筆者の意見を反映したものであり、いかなる立場においても当プラットフォームを代表するものではありません。また、本記事は投資判断の参考となることを目的としたものではありません。
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