ビットコイン反発、イラン報復中止の可能性示唆、CPIでどうなる?
著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
ポイント
・61,000ドル台に反発
・弱めのPPIで買い、CPIも弱めで素直に買いか
・イラン高官、ガザ停戦達成なら報復中止の可能性示唆
・リセッションでの利下げは売りだが、インフレ低下での利下げは買いか
昨日のBTC相場
昨日のBTC相場は上昇。
58,000ドル(約855万円)台で下げ渋ると、一時61,000ドル(約895万円)台まで上値を伸ばしている。
BTCは先月29日に付けた高値70,000ドルと先週月曜日の安値49,000ドルとの半値戻し59,500ドルをクリア、金曜日の早朝には62,000ドル台まで上値を伸ばし、月初の急落時に開けたCME先物の窓埋めが完了した。
その後、イランが数日内にイスラエルに報復するといった報道もあり57,000ドル台に値を下げたが、マラソン社の2.5億ドルの債券発行によるBTC購入計画などもあり60,000ドルに反発するなど乱高下。
昨日は未明に米高官がイランによるイスラエル攻撃が今週中の可能性とコメントしたこともあり58,000ドル台に値を下げたが、グレイスケールのETH ETF、ETHEからの流出が止まったことやサイバー攻撃で遅れていたトランプ・Eマスク会談がスタートしたこともあり60,000ドル手前に値を戻した。
結局、同会談で暗号資産への言及はなくBTCは若干弱含んだが、ETFフローが少額ながらBTC・ETHともにプラス転したこともあり切り返し、2週間前にMt.GOXから20億ドル相当のBTCを受け取ったBitgoと思しきウォレットからテスト送金が始まったことを受け失速するなど、59,000ドルを挟んでの推移が続いた。
米CPIの前哨戦となるPPI(卸売物価指数)は若干弱かったことを好感してじりじりと60,000ドル近辺に値を上げると、イラン高官がガザ地区での停戦が達成すれば報復攻撃を中止する可能性を示唆したとイスラエルメディアなどが報じたことを好感して原油価格が下落、米株が上伸するなどリスクオンの流れを受けて、BTCは一時61,000ドルに反発、その後も60,000ドル台後半で底堅く推移している。
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