元コインベース(Coinbase)幹部がPayPal PYUSDと提携してTrueXを立ち上げ
コインベース元幹部がステーブルコインに特化したTrueXを立ち上げ
コインベース (Coinbase)の元従業員であるヴィシャル・グプタ(Vishal Gupta)氏とパトリック・マクリアリー(Patrick McCreary)氏の2人が、TrueXという名のステーブルコインに特化した取引所を立ち上げたことが 発表 された。
このプラットフォームは、グプタ氏が同取引所在職中に立ち上げに貢献したUSDCステーブルコインに先駆けて、PayPalのPYUSDを採用している。グプタ氏とマクリアリー氏は、シンガポールで開催中のToken2049カンファレンスで、仮想通貨取引所TrueXのデビューを発表した。
興味深いのは、USDCステーブルコインのローンチを監督したにもかかわらず、グプタ氏は彼らのプラットフォームでの取引の主要な決済通貨としてPayPalのPYUSDを選択しており、PYUSDの発行元であるPaxos Trust Companyは、TrueXのサードパーティ・カストディアンとしての役割を果たすとのこと。また、ステーブルコインの発行元もこの取引所に投資していることは注目に値しており、彼らはプラットフォームのシード資金調達ラウンドに参加し、900万ドル(約12.9億円)を調達している。
非保管型のステイブルコインネイティブの取引所に
同取引所は、Hack VCやRRE VenturesといったVC(ベンチャーキャピタル)企業からも支援を受けており、グプタ氏は自身のXプラットフォームで、TrueXは仮想通貨市場に革命を起こす、非保管型のステイブルコインネイティブの取引所になると述べた。
実際、この仮想通貨取引所はTrue Marketsの主力商品で、市場や流動性をサービスとしてグローバルに提供するプラットフォームとのこと。さらにTrueXは、価格発見と売買注文のマッチングを促進するマッチング・エンジンを搭載。同プラットフォームはいかなる資産も管理せず、単にステーブルコインを使用して取引が完了するようになっている。こうすることで、仮想通貨取引所は執行と保管を分離し、比類のない効率性と透明性を実現することを目指しているとのことだ。
TrueXの創設者たちは、以前Coinbaseで働いており、グプタ氏は取引所の責任者を務め、マクリアリー氏は仮想通貨取引所のシニア・スタッフ・エンジニアであり、2人とも以前はゴールドマン・サックスでも働いていた経歴を有する人物だ。
TrueXの立ち上げは、Mt.Goxの元CEO(最高経営責任者)であるマーク・カルプレス(Mark Karpeles)氏が自身の仮想通貨取引所の立ち上げ計画を明らかにした発表に続くものだが、米国の顧客を対象とするTrueXとは異なり、カルプレス氏のEllipX取引所はヨーロッパを拠点としている。
TrueXのデフォルト決済PYUSD採用は一時的なものか
TrueXのデフォルト決済通貨としてPayPalのPYUSDを採用するという元コインベース従業員による今回の決定は、一時的なものであると言われている。
TrueXは、今後2~4週間以内に取引機能をローンチする際、テザー(Tether/USDT)やUSDコイン(USDCoin/USDC)のような他のステーブルコインのサポートを拡大する予定であり、同プラットフォームは取引がシームレスに実行されることを引き続き保証している。TrueXは段階的に機能を展開する予定であり、初期段階では、主要仮想通貨のスポット取引のみを提供するとされ、グプタ氏は、取引は米国の機関トレーダーのみに開放されることも強調している。
PYUSDは現在、時価総額7億3,300万ドル(約1,049億円)で第5位のステーブルコインにランクされており、このコインは、現在それぞれ1,180億ドル(約16.9兆円)と350億ドル(約5兆円)の時価総額を誇る主要なステーブルコインであるUSDTとUSDCの後塵を拝している。
USDCの普及は、ステーブルコインの発行元である サークル (Circle)がブラジルとメキシコに進出したことでも急増しており、USDCはこれらの国々で、現地の銀行送金やリアルタイムの決済システムを通じて利用できるようになることで、ステーブルコインにとって大きな後押しになるとみられている。
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