ビットコイン（BTC）の価格は、9月25日までの7日間で8.2%上昇し、5万9886ドルから6万4816ドルに達した。しかし、6万4500ドルの抵抗レベルは予想以上に困難だった。弱いマクロ経済データが投資家のリスク志向を低下させたほか、他の要因も加わり、9月25日のビットコイン価格の調整を引き起こした。

リセッションの恐怖が投資家心理に影響

ヤフーファイナンスによると、米国の新築住宅販売価格の中央値は8月に前年同期比で4.6%減少した。住宅価格は現在7か月連続で減少しており、2009年以来最長の減少期間となっている。特に、住宅在庫は記録的な高水準となっており、現在46万7000戸の完成住宅が販売中だ。

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US new home sales, thousands. Source: Continuum Economics

世界の投資家にとってもう1つの懸念は中国から来ている。中国の中央銀行は金利引き下げを発表し、個人および企業向けに1420億ドルの信用枠を導入した。 ヤフーファイナンスによれば 、野村のアナリストは、これらの措置は「悪化する経済減速を食い止めるには十分ではない」とし、「財政措置が前面に出るべきだ」とのべたが、そのような措置が実現する可能性は低いと考えている。

9月24日、米国市場が閉まった後、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは、バンク・オブ・アメリカの持ち株をさらに減らし、売却総額は3か月足らずで総額89億ドルに 達した 。この動きは、9月25日にS&P500が史上最高値を記録したことから、金融市場での懸念を高めている。

ビットコインのトレーダーは、株式市場の潜在的な調整が仮想通貨のパフォーマンスに悪影響を与える可能性を警戒している。

米大統領選挙の不確実性も影響

世界的な経済減速への懸念に加えて、ビットコイン投資家は11月の米大統領選挙にも注目している。

ブロックチェーン分析プラットフォーム「ナンセン」のアレックス・スヴァネヴィクCEOは、民主党が「仮想通貨に対して比較的敵対的な環境を作り出した」と指摘する。彼は、民主党候補者のカマラ・ハリス氏が当選すれば、現在のバイデン政権の敵対的な仮想通貨政策が続くと 予想している 。

ビットコイン強気派の多くは、次の米国選挙で共和党の勝利を望んでおり、特にドナルド・トランプ候補を支持している。トランプ氏は選挙キャンペーンの一環としてビットコインマイナーを支持し、テネシー州で開催されたビットコイン2024カンファレンスでも講演した。最近では、トランプ氏はニューヨーク市のバーとレストランで目撃され、そこでビットコインを使ってハンバーガーを購入する パフォーマンスを行った 。

米国の選挙の結果がまだ決まっていないため、ビットコイントレーダーはBTC価格が8月以来の最高水準に近づく中、慎重な姿勢をとっている。

これはレバレッジを使用するトレーダーの控えめな行動に反映されている。ビットコインデリバティブの主要指標である先物プレミアムによると、最近数週間で価格上昇をさらに賭ける熱意は見られない。

通常の市場条件下では、月次契約は5%～10%の年率プレミアムで取引されるはずだ。この範囲を下回る数字は通常、弱気と見なされる。

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Bitcoin 2-month futures annualized premium. Source: Laevitas.ch

9月2日以降、ビットコイン先物プレミアムは中立的な6%付近で推移しており、強気派の確信が欠けていることを示している。比較のために、BTC価格が上昇していた7月30日には、BTC先物プレミアムは11%となっていた。これは、9月6日から9月24日までのビットコインの20%の上昇があったことを考えると、デリバティブ市場での市場心理が停滞していることを示している。

当面の間、9月25日のビットコインの期待外れのパフォーマンスは、弱いマクロ経済データ、株式市場の調整への懸念、および米国大統領選挙の仮想通貨市場への影響に関する不確実性に起因する。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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