仮想通貨リサーチ企業サンティメントによれば、仮想通貨市場の底を示す可能性のあるキーワードが少なくとも5つ存在する。

ビットコイン(BTC)の価格は、中東での地政学的緊張の高まりを受けて過去24時間で3%下落した。仮想通貨トレーダーたちは、紛争のエスカレーションがリスク資産に与える影響を懸念している。

10月2日の ブログ投稿 で、サンティメントのマーケティングディレクターであるブライアン・クインラビン氏は、ソーシャルメディア上で5つの主要な「恐怖」ワードが頻繁に使用されると、市場が過度に恐れているかどうかを識別し、ブレイクアウトの可能性を見極めるのに役立つと述べた。

市場の底を示すキーワード

「市場が低迷しているとき、人々は特定の言葉を頻繁に使い始める。これらの恐怖キーワード、いわゆる『FUD』(Fear, Uncertainty, Doubt:恐怖、不確実性、疑念)ワードは、実際には状況が好転する兆しとなることがある」とクインラビン氏は語った。

最初のキーワードは「暴落(Crush)」だ。皆が暴落について話し始めると、通常は価格が急落し、トレーダーたちはパニックに陥る。しかし、皮肉なことに、ソーシャルメディアで「暴落」という言葉が最も多く使われるとき、それは価格が反転し始めるタイミングであることが多い。

仮想通貨市場は底を打ったか? 底打ちを示す5つのキーワード image 0

SNSにおける「暴落」という言葉の使用とBTC価格の関係 Source: Santiment

同様に、「売り(Sell)」や「死(Dead)」という言葉がソーシャルプラットフォームで登場する場合も同じだ。「暴落」と同じように、トレーダーが「売り」や「死」という言葉を最も多く使い始めると、それは回復が近いことを意味し、「勇敢な者にとっての機会」を創出する、とクインラビン氏は述べた。

4つ目の恐怖キーワードは「取り締まり(crackdown)」だ。これは規制や法的圧力を指し、トレーダーが政府の行動や新しい訴訟の結果を恐れる状況を作り出す。このような規制問題は価格を押し下げることがあるが、特にパニックが過剰に見えるときには良い買いの機会をもたらすことが多い、とクインラビン氏は語った。

5つ目の恐怖ワードは「清算(liquidation)」だ。これは市場の方向によっては諸刃の剣となり得る。清算とは、トレーダーが急激な価格変動によってポジションを強制的に手放さなければならない状況を指し、これは強気でも弱気でも起こり得る。

仮想通貨市場は底を打ったか? 底打ちを示す5つのキーワード image 1

SNSにおける「清算」という言葉の使用とBTC価格の関係. Source: Santiment

通常、ソーシャルメディア上の投資家は、ショートポジションを取っている人々がストップアウトして損失を出すときに「清算」という言葉を使って祝う。クインラビン氏は、ショートポジションの清算が増加することは「新しい買い手が参入するための歴史的に良い機会」であると述べた。

クインラビン氏は、ソーシャルメディアの感情に対して「逆張りのアプローチ」を取ることが「多くの場合、正しい決断」であると結論付けた。「皆が強気または弱気の考えに乗っている極端な瞬間—例えばFTXの崩壊や最近の利下げ—こういった時こそが未来に向けた構想が築かれる」と彼は語った。