MiCA準拠のステーブルコインがユーロステーブルコインセクターの市場シェアを獲得：Kaikoリサーチ

「ユーロステーブルコイン市場では、CircleのEURCやSociété GénéraleのEURCVを含むMiCA準拠のユーロステーブルコインの市場シェアが先週67%に達し、過去最高を記録しました」とKaikoのリサーチアナリストは述べています。

この変化は主にCoinbaseによって引き起こされ、報告によると、8月にBinanceを追い越してユーロに裏付けられたステーブルコイン取引の主要プラットフォームとなりました。CoinbaseはMiCA準拠の資産を受け入れていますが、Kaikoのアナリストは、Binanceは「主に非ヨーロッパのユーザー向けにゼロ手数料モデルを通じて非準拠のユーロステーブルコインを推進している」と述べています。

市場の変化にもかかわらず安定した取引量

これらの変化にもかかわらず、報告書は、ユーロに裏付けられたステーブルコインの週次取引量が6月のMiCAの実施以来、約3,000万ドルで比較的安定していると指摘しています。これは3月の1億ドルの週次取引量からの顕著な減少です。Kaikoのアナリストは、この市場シェアの変化を需要の急増ではなく、取引所の上場廃止によるものとしています。

「取引量の減少は、規制の変化にもかかわらずユーロステーブルコインの需要が大幅に増加していないことを示しており、MiCAの強制的な上場廃止によって引き起こされた変化が大きい」とKaikoのアナリストは指摘しています。

報告書はまた、MiCA規制がUSDに裏付けられたステーブルコインにも影響を与えると述べています。Coinbaseは、2024年12月30日までにヨーロッパのユーザー向けにTetherのUSDTやその他の非準拠のステーブルコインを上場廃止する計画を発表しました。Kaikoの報告書は、これがMiCA準拠のUSDステーブルコイン、特にCircleのUSDCに利益をもたらす可能性があると示唆しています。報告書によると、「現在、MiCA準拠のUSDに裏付けられたステーブルコインの中で最大のシェアを持ち、その市場シェアは10%から12%に上昇しています。」

MiCAの影響は、新しい規制枠組みの外で運営されている分散型取引所（DEX）にも及んでいるとKaikoのアナリストは述べています。USDTは市場で最も流動性の高いステーブルコインであり、その使用はDEXで増加していることが観察されました。

「DEXはMiCAによって規制されていないため、トレーダーは流動性を得るためにUSDT取引をこれらのプラットフォームに移行する可能性がある」とKaikoは予測しています。

この傾向は特にUniswapで顕著であり、USDTの存在感が増しているのに対し、Circleの銀行パートナーであるシリコンバレー銀行（SVB）の崩壊後に急激にデペグしたUSDCの支配力は低下していますと報告書は述べています。

Kaikoのデータによると、UniswapでのUSDCの市場シェアは2022年のほぼ90%から先週の55%に減少しました。

MiCAの潜在的な市場への広範な影響