米国連邦捜査局（FBI）は、1月に米国証券取引委員会（SEC）の公式Xアカウントをハッキングしたとして、アラバマ州アセンズ出身の25歳の男性を逮捕した。

10月17日の 声明によれば 、エリック・カウンシル・ジュニア氏は、加重身分盗用とアクセスデバイス詐欺の共謀の容疑で拘束された。

連邦当局によると、カウンシル・ジュニアは2024年1月にSECのXアカウントをハッキングし、1月9日にSECが米国初のビットコイン上場投資信託（ETF）を承認したとする偽のメッセージを投稿したグループの一員とされている。

この偽の発表により、ビットコイン（BTC）の価格は投稿後に1,000ドル以上急騰し、市場にさらなる動揺を引き起こした。

約15分後、SEC議長のゲイリー・ゲンスラー氏は「現物ビットコイン上場投資商品の上場および取引を承認していない」と述べ、規制当局のアカウントが不正アクセスされたと明らかにした。

Source: Gary Gensler

ハッカーは「SIMスワップ」攻撃を通じてSECのアカウントを掌握した。これは、ハッカーが被害者の電話番号を自分のSIMカードに転送し、二要素認証を回避して被害者のアカウントにアクセスする手法だ。

米国検事のマシュー・グレイブス氏は「これらのSIMスワッピング詐欺では、詐欺師がサービスプロバイダーを騙して被害者の電話を掌握し、被害者に壊滅的な財務損失や機密情報の漏洩をもたらす可能性がある」と述べた。彼は続けて以下のように語った。

「ここで、共謀者たちは不正な電話アクセスを利用して金融市場を操作した。今回の起訴を通じて、これらの重大な犯罪を犯した者たちを追及する。」

起訴状によれば、「ローニン」「イージーマネー」「エージャイアントシュナウザー」などのオンライン別名を使っていたカウンシル氏は、共謀者から被害者の個人情報とIDのテンプレートを入手した。その後、自身のカードプリンターで偽のIDを作成し、アラバマ州ハンツビルの携帯電話会社の店舗で被害者の電話番号にリンクされたSIMカードを取得した。

現金でiPhoneを購入した後、その電話とSIMカードを使ってSECのXアカウントのアクセスコードを取得し、共謀者に渡した。共謀者はそのコードを使ってETFの承認に関する偽の投稿を行った。その見返りに、カウンシル氏はビットコインで報酬を受け取った。その後すぐに、彼はバーミングハムに向かい、iPhoneを現金で返品した。

FBIの調査によれば、ハッカーはその後「SECGOV ハック」「Telegram SIMスワップ」「FBIに調査されているか確実に知る方法」「法執行機関やFBIから連絡がなくても調査されている兆候は何か」といったインターネット検索を行ったという。

カウンシル氏は、個人の盗まれた身分を使ってその電話番号を掌握し、SECのXアカウントに不法にアクセスしたとされている。司法次官補代理のニコール・M・アルジェンティエリ氏は次のように述べた。

「その後、カウンシルの共謀者たちはこの不正アクセスを利用して、SECがビットコインETFの上場を承認したと虚偽の発表を行い、ビットコインの価格を1,000ドル上昇させ、その後2,000ドル下落させた。カウンシルの起訴は、金融市場の健全性を脅かすサイバー犯罪に対抗する刑事部の取り組みを強調するものだ。」

この劇的な事件の翌日、SECは11のビットコインETFのウォール街デビューを承認した。これらのファンドは合計で635億ドル以上の運用資産を持っている。

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