DeFiトークンが30%以上の上昇 トランプ新政権でのDeFi規制緩和への期待感が後押し
分散型金融(DeFi)トークンが30%以上の上昇をみせた。業界アナリストによれば、トランプ新政権がこれらのガバナンストークンをユーティリティ資産に替え、投資的な魅力を高めるとの期待が背景にあるという。
コインゲッコー によれば、11月6日と7日には、UNIが35%上昇し、9.58ドルの高値を記録した。他にもリドDAO(LDO)、エセナ(ENA)、AAVE、メーカー(MKR)がそれぞれ20%以上の上昇となった。
「これまでDeFiトークンは主に『無価値なガバナンストークン』とされ、プロトコル変更の投票権以外に価値を持たないとされてきた」とBTCマーケッツの仮想通貨アナリストであるチャーリー・シェリー氏はコインテレグラフに語った。「しかし、投資家やトークン保有者は、いずれプロトコルが手数料を通じてトークンに価値を還元できるようになるという見込みで購入している」とシェリー氏は続けた。
シェリー氏は、多くのDeFiプロトコルが証券取引委員会(SEC)からの執行措置を恐れているため、現状はこうした「価値蓄積メカニズム」が実施されていないと説明する。特にユニスワップ・ラボに対する SECの調査 を具体的な事例として挙げた。
11月6日、ドナルド・トランプ氏が米大統領職を勝ち取った。これにより、SECのゲイリー・ゲンスラー委員長が早ければ1月にも辞任する可能性があると 10xリサーチは予想している 。
こういった政策環境への期待感が「規制楽観主義」の波を引き起こした可能性があるとシェリー氏は語った。「市場は予想される規制の変化を織り込み、DeFiプロジェクトとそのトークンにとってより友好的な環境になると期待している」。
Top performing tokens over the last 24 hours. Source: CoinGecko
Aaveの「手数料スイッチ」提案が、AAVEトークン保有者にとって「内在的価値を創出する重要な一歩」になるだろうとはシェリー氏は説明した。
さらに、ユニスワップの新しいレイヤー2「ユニチェーン」の手数料の一部もUNIトークン保有者に還元されることになる。「UNIをガバナンストークンからユーティリティ資産に変え、その投資魅力を拡大する」とシェリー氏は話す。
LIDO、ENA、MKR、フラックス(FXS)といったDeFiプロトコルも同様の「価値蓄積」を遂げる可能性があるとシェリー氏は指摘している。
一方、10xリサーチのリサーチ部門責任者であるマーカス・ティーレン氏は、一部のトレーダーが「遅れを取ったものを買う」戦略を採用したため、DeFiトークンが上昇した可能性があると語った。この戦略は、前年にパフォーマンスが低かったが、翌年にはパフォーマンスが回復することを期待して資産を購入するものだ。
また、ブラックロックが2025年に現物イーサリアム上場投資信託を「より積極的に」推進する可能性があるとの憶測もあるとティーレン氏はコインテレグラフに語った。
ティーレン氏は、イーサリアム(ETH)が2700ドルの水準を突破すれば3000ドルに達する可能性があるとも語った。ETHは現在2845ドル(約425250円)で取引されており、過去24時間で8.5%上昇している。
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