仮想通貨市場や金融市場の予想に反し、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利下げを示唆しなかったことを受け、ビットコイン市場は約3%下落した。

11月14日、 テキサス州ダラスでの講演 で、FRB議長のジェローム・パウエル氏は「経済は利下げを急ぐ必要があるというシグナルを送っていない」と語った。パウエル氏の発言は、9月と11月にそれぞれ50と25ベーシスポイントの利下げが行われた後に出されたものだ。次回のFRBの金利決定は12月18日に発表される予定だ。

「現在の経済の強さは、慎重に決定を下す能力を我々に与えている。最終的に政策金利の動向は、入ってくるデータと経済見通しがどのように進展するかに依存する」とパウエルは付け加えた。

パウエルのスピーチ後、 コインマーケットキャップのデータ によれば、ビットコインの価格は約2.79%下落し8万6979ドルとなった。発表時点で、価格はわずかに回復し8万8100ドルとなっている。

FRBパウエル議長「利下げを急ぐ必要はない」 ビットコインは3%下落 仮想通貨市場に逆風か image 0

Bitcoin is down 2.74% since Nov. 14. Source: CoinMarketCap

トレーダーの12月の利下げに対する信頼は弱まっており、「25ベーシスポイントの利下げの可能性は59%に低下している」とトレーディングリソースのザ・コベッシ・レターが 11月14日のX投稿 で指摘した。「FRBの方針転換は再び元に戻されつつある」とも付け加えた。

金利はビットコイン市場にとって重要な指標

ビットコイン市場はFRBが金利を引き下げるかどうかに注目している。金利が低下すると、債券や定期預金のような安全資産の魅力が低下し、投資家はビットコイン(BTC)やテクノロジー株のようなリスクの高い代替投資を検討するようになるためだ。

一方、米国のインフレデータは市場予想をわずかに上回った。同日、10月の米国生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.4%の上昇を示し、2.3%の市場予想をわずかに上回った。インフレデータが予想に近いことも、FRBが金利を調整する緊急性を低下させる要因の1つとなっている。

トランプ氏のさまざまな政策が経済成長とインフレに影響を与える可能性があるとの懸念がある中でのことだ。経済学者のヌリエル・ルービニ氏は11月14日に ABCニュースに対し 、「企業部門に対する減税、規制緩和、化石燃料の生産増加などのビジネス有利の政策は成長とインフレを増加させるかもしれない」と語ったが、一方で「関税、貿易戦争、移民に関する他の政策は高金利をもたらす可能性がある」とも述べた。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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